今回は、色に対して人が持つイメージについて考えてみます。好きな色や嫌いな色は個人によって大きく変わりますが、例えば赤なら情熱、白なら潔白など、人が色に対して持つイメージは多くの場合共通していることが多いと言えます。
色に対して深く知り、利用するためには、このように人が持つ色の共通したイメージについてよく知っておくことが重要でしょう。
単語に対する色のイメージ
それでは、次ある単語(刺激語)に対する色のイメージについて考えてみます。
まずは以下のフォームに入力してみてください。
以下は、稲波・小原(1992)が行った90名の学生に対して行った調査で、40の刺激語に対する12色の反応率を表にしたものです。例えば「幸福」という単語に対して思い浮かぶ色は、白が30.3%、ピンクが28.1%、黄が14.6%です。この反応率が高ければ高いほど、多くの人が共通して持っているイメージだということが言えます。
参考:刺激語に対する色イメージ
参考:Sim Daltonism
各色の代表的なイメージ
以下は松岡(1986)がまとめた日本における各色の代表的な象徴内容(イメージ)です。年代が違うので、今同じ調査を行ったらもう少し違う結果になっているかもしれませんが、現代でも共通したイメージは多くあります。
色彩 | 象徴内容(イメージ) |
---|---|
赤 | 情熱、活気、誠心、愛情、喜悦、歓喜、闘争 |
橙(オレンジ) | 陽気、喜楽、嫉妬、わがまま、疑惑 |
黄 | 希望、発展、光明、快活、軽薄、疑惑、優柔 |
緑 | 平和、親愛、公平、成長、安易、慰安、理想、柔和、永久、青春 |
青 | 沈着、冷淡、悠久、真実、冷静、静寂、知性 |
紫 | 高貴、優雅、優美、神秘、謹厳、複雑 |
白 | 純潔、潔白、清浄、素朴 |
黒 | 厳粛、荘重、沈黙、悲哀、不正、罪悪、失敗 |
それでは、以下の実習をおこなってみましょう。
小課題 色彩のイメージ性1
色彩というものは、それぞれ固有のイメージを持っており、広く一般に知られているものもある(例:赤→情熱、白→清潔)。
それらの色彩とイメージの関係を踏まえ、与えられたテンプレートの中でそれぞれ与えられたイメージにふさわしい色の組み合わせを選び、四角形の中を彩色する。
ポイントは、「色のイメージ」、「彩度」、「明度」、「コントラスト」。
目標
色彩の持つイメージをコントロールできるようにする
小課題 色彩のイメージ性2
- 前の課題で作成した対義語の色のイメージを踏まえて、1種類の対義語を選ぶ。(例:温かい、冷たい)。
- 与えられた正方形の中で、幾何図形などの抽象的な形態を使ってその対義語をそれぞれ表現する。具体的な物は使わないこと。
- その単語からイメージされる色を有効活用すること。
小課題 色のイメージ性1の参考:イメージキーワードとカラーモデルの相関図