演算とは、特にコンピュータの計算について使われる用語で、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)や比較する場合の計算処理を指します。そして、演算するための記号(+、-、*、/、<など)は「演算子」と呼ばれます。
すでに学習した演算子以外にも、よく使われる演算子があるので確認してみましょう。
2.4.1 代入演算子
この、演算の際によく使われる「 = 」は代入演算子と呼ばれます。右の値を左の箱に入れるという意味ですね。数学でいうイコールではないので気をつけてください。数学でのイコールはProcessingや多くのプログラミング言語では「 == 」で表されます。
2.4.2 算術演算子
算術演算子は、計算のための基本的な演算子で、足し算( + )、引き算( – )、掛け算( * )、割り算( / )の四則演算と、剰余( % )があります。
足し算、引き算は言うまでもありませんが、掛け算、割り算は記号が数学の場合と違うので気をつけてください。
int a = 10;
int b = 5;
int c;
c = a + b; //cは15
c = a - b; //cは5
c = a * b; //cは50
c = a / b; //cは2
2.4.3 算術代入演算子
例えば、次の式の答えはどうなるでしょう。Processingで再生してみてください。
int i = 5;
i = i + 10; //aの式
i = i + 10; //bの式
println(i);
ちょっと戸惑うかもしれませんが、右の結果を左に代入するのが演算の鉄則なので、
aの式 i = (5) + 10の結果、15になります。
bの式 i = (15) + 10の結果、25になります。
この演算は、アニメーションの時には必ず使われます。そして、実はi = i + 10は、i += 10という書き方ができます。
//加算の場合は
i += 10; //i = i + 10と同じ
//減算の場合は
i -= 10; //i = i - 10と同じ
//乗算の場合は
i *= 10; //i = i * 10と同じ
//除算の場合は
i /= 10; //i = i / 10と同じ
//剰余の場合は
i %= 10; //i = i % 10と同じ
これらは、算術代入演算子と呼ばれます。
2.4.4 単項演算子
また、i = i + 1は次のように書けます。
//加算の場合は
i ++; //i = i + 1と同じ
//減算の場合は
i --; //i = i - 1と同じ
これらは、単項演算子と呼ばれます。
初めは理解しにくいかもしれませんのでどちらの表記を使用しても構いませんが、プログラマが書いたプログラムは、圧倒的に算術代入演算子や単項演算子を使って短く書くことが多いので、最終的にはこの表記で覚えた方がいいでしょう(名称は覚える必要はありません)。本書ではこれ以降、i += 10やi ++のような短縮表記を使います。
2.4.5 演算子の一覧
前述の演算子の他にも、様々な演算子があり、【リスト2.4-a】はProcessingで使われる演算子を表にしたものです。他のプログラミング言語でも大体同じような記号が使われますが、微妙に違いがあるので、分からなくなったらこの表を参照してください。これらの演算子はプログラミングにおいて必須なので、段階的に学習していきましょう。
カテゴリ | 演算子 | 説明 | 使用例 |
---|---|---|---|
算術演算子 | + | 足す(加算) | a = b + c; |
– | 引く(減算) | a = b – c; | |
* | 掛ける(乗算) | a = b * c; | |
/ | 割る(除算) | a = b / c; | |
% | 割った数の余り(剰余) | a = b % c; | |
単項演算子 | ++ | 1ずつ足す(インクリメント) | a++; ++a; |
– – | 1ずつ引く(デクリメント) | a – -; - – a; | |
代入演算子 | = | aにbの値を入れる | a = b; |
比較演算子 | "==" | 等しい | if (a == b) |
!= | 異なる | if (a != b) | |
< | 未満 | if (a < b) | |
> | 超(超える) | if (a > b) | |
<= | 以下 | if (a <= b) | |
>= | 以上 | if (a >= b) | |
論理演算子 | && | かつ | if (a == b && c == d) |
|| | または | if (a == b || c == d) | |
! | ではない | if (!a == b) |
|
算術代入演算子 | += | aとbの値を足してaに入れる | a += b (a = a + bと同じ意味の式) |
-= | aの値からbの値を引いてaに入れる | a -= b (a = a - bと同じ意味の式) | |
*= | aの値とbの値を掛けてaに入れる | a *= b (a = a * bと同じ意味の式) | |
/= | aの値をbの値で割ってaに入れる | a /= b (a = a / bと同じ意味の式) | |
%= | aの値をbの値で割った余りをaに入れる | a %= b (a = a % bと同じ意味の式) |