2019年度インタラクティブメディア概論A 第1回

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0. 自己紹介

1. インタラクションについて考えてみる

インタラクションとは

相互作用、交互作用、相互交流などと訳される。2つ以上の人、物、事が互いに影響を及ぼすこと。情報技術(IT)分野では、一般的に人と機械の相互作用やアクション(行動)に対するリアクション(反応)を扱う事が多い。

コミュニケーションとは

一般的に人間(や動物)同士の情報交換や意思の疎通を表す。通信という意味もあるが、この授業で言うコミュニケーションは、前者のみを扱う。
インタラクションとコミュニケーションという言葉は非常に近いが、通常インタラクションは人間同士ではなく人間と機械、コミュニケーションは人間同士の相互関係を指す事が多い。

対象から見たインタラクション

この授業では、人間と機械だけでなく、広くコミュニケーションもインタラクションと同義語だとして、その概念を拡張してみる。すると、様々な生活空間にインタラクションは存在する。

・人 ⇄ 人
・人 ⇄ 物
・物 ⇄ 物
・人 ⇄ 環境
・物 ⇄ 環境

・人 ⇄ コンピュータ
・人 ⇄ コンピュータ ⇄ 人
・人 ⇄ コンピュータ ⇄ 環境
・物 ⇄ コンピュータ ⇄ 物
・植物 ⇄ コンピュータ
・動物 ⇄ コンピュータ

2. インタラクティブメディア関連の用語

インタラクティブメディア

双方向的な情報技術(IT)サービスを差す。もともとはマスメディアが発信者から受信者に一方的に情報が伝達されるという性質であることに対して、発信者と受信者が相互的に情報交換するタイプのサービスという意味で使われた。過去にはマルチメディアという用語も使われた。
こう考えると、インターネットや電話はまさにインタラクティブメディアの代表だと言える。また、好きな映画やドラマなどを見たいときに見る事ができるビデオ・オン・デマンド(VOD)もこの中に含まれる(Hulu、ケーブルテレビなどのサービス)。

インタラクティブアート

インタラクティブアートとは、作品と体験者が相互作用(インタラクション)する形のアートを指す。例えば、体験者の動きによって反応する映像作品などがその代表である。
インタラクティブアートは、映像作品、ソフトウェア、ロボット、ウェブなど様々な形を取るが、その多くはインタラクションを発生させる技術手段としてコンピュータ、センサ、マイクロコントローラなどの最新テクノロジーを利用する。
インタラクション(相互作用)があるアートとしては、歴史的に見ると1960年代のフルクサスなどのパフォーマンスも、作者と観客の間におけるインタラクションが重視されるという点ではインタラクティブアートと言えなくもないが、一般的にはそのインタラクションを発生させるのはコンピュータや機械だという暗黙の了解があると考えていい。

インタラクションデザイン

インタラクションデザイン(インタラクティブデザイン)とは、ソフトウェアや携帯機器などにおいて、機器とユーザとの振る舞いをデザインすること。一般的に良く知られているインタラクションデザインの例は、電話、炊飯器のタッチパネル、銀行のATM、ハードディスクレコーダの操作画面、ゲームなど様々だが、そこには「分かりやすい」、「使いやすい」などの機能性が必要とされる事が非常に多い。
インタラクションデザインとインタラクティブアートの境界は曖昧だが、一般的にインタラクションデザインは「機能性」を重視するのに対してインタラクティブアートは「表現性」を重視する。

3. 様々な表現形態におけるインタラクション

上述したように、インタラクションは日常生活の中にあふれているが、一般的には容易に観察可能な形で存在しているわけではない。そこで、人対人、人対物などのインタラクションが主要な要素となっているアートや演芸の表現を見ていきたい。

3-1. 人 ⇄ 人

お笑い

パンクブーブー(病院)8:10ごろ
笑い飯(小学校の掃除時間)
ナイツ(2017年の出来事)
サンドウィッチマン(ファミレス)8:43ごろ
和牛(手料理)

ボケとツッコミの視覚化

言語によるパフォーマンス

ラーメンズ 同音異義の交錯

身体的パフォーマンス

コンタクト・ゴンゾ格闘技やスポーツを思わせるような身体的なインタラクション

3-2. 人 ⇄ 物

Marble Machine

3-3. 物 ⇄ 物

ペーター・フィッシュリ/ダヴィッド・ヴァイス(事の次第)
OK GO, This Too Shall Pass
Honda The Cog
World’s Slowest Rube Goldberg

4. 結論

世の中に、インタラクションは溢れている。人間の日常生活そのものがインタラクションの連続で構成されていると言っても過言ではない。インタラクティブメディア学科の学生は、単に「人 対 機械」の関係性におけるインタラクションのみではなく、日常生活におけるインタラクションをつぶさに観察、分析してみて欲しい。

出席

授業開始後15分までは遅刻を認める。レポートを提出していないと、出席とは認めない。

レポート

1. 自分が一番興味を持った作品と、その理由を述べる。
2. 日常的なインタラクション(相互作用)である「会話」において、自身の経験の中でインタラクションがうまくいかなかった(会話が成り立たなかった)事例を取り上げ、なぜうまくいかなかったかを分析する。

レポートは5段階で評価する(A~E段階で、Aが最高点)。Eは、レポートとして評価できないもの(1行しか書いていないなど)。