授業概要
野口研究室は、以下のキーワードに関連するプロジェクト/作品制作を行ないます。
ソフトウェアデザイン、インフォメーションデザイン、インタラクティブアート
基本的にはソフトウェア開発を中心に作品制作や研究を行います。作品としてはスマホ/タブレットアプリ、サウンドヴィジュアライザ、VJシステム、A.R.などがあります。Max/MSPやQuarz Composerなどのヴィジュアルプログラミング環境も含みます。
学生への要求条件
やる気がある人。作品制作の基盤としてインフォメーションデザインの実習とプログラミングの実習が中心ですが、習熟度は問いません。ゼミでのカリキュラムは基礎的なところから復習します。アイデア/企画力と実現能力の両方を高めたい人を希望します。
習得する能力の目標
1. 芸術的な感性と工学的な技術開発能力の洗練
2. 授業内での発表やディスカッションによる、プレゼンテーション能力の洗練
3. 自身のプロジェクトのリサーチや文献研究を通した、リサーチ力の養成
4. 自身でイベントを企画/運営することによる、プロデュース能力、ディレクション能力、社会性の養成
目標とする人材
頭も手も体も動く人
授業内容
3年前期は、タイポグラフィやグリッドシステム、色彩など、基礎的なインフォメーションデザイン実習をおこないます。
後期の前半は、openFrameworksを使用して、より拡張性の高いソフトウェアデザイン/アートの制作環境を学習します。
参考:http://www.openframeworks.cc/
また、後期はプレゼンテーションおよびディスカッションを中心とした授業運営を行います。
さらに、後期にはゼミ展を開催する予定です。予算はゼミ費から出ますが、この展示運営における予算編成、広報関連の実務を通して、自主的に表現の場を作り、社会との接点を探ることの意味を考えます。
http://www.tdwa.com/
教員の専門領域
以下のサイトを参照のこと
http://r-dimension.xsrv.jp/
教員の得意分野
<領域>
ソフトウェアデザイン全般、メディアアート全般、グラフィックデザイン(元々はこの分野の出身)、現代美術(今やっている)、都市論、文化人類学(現在、人類学者と共同研究中)
<技術>
画像処理プログラミング、Processing、Quartz ComposerやMax/MSPなどのビジュアルプログラミング、Objective-C(Cocoaアプリケーション)、OpenGL、C言語、PHP、MySQL、映像編集など
前期スケジュール
[4/13] タイポグラフィ1
[4/20] タイポグラフィ2
[4/27] 色彩
[5/11] ロゴのカラー研究
[6/5・6/12] 松村さんワークショップ
[5/25] レイアウト1
[6/1] レイアウト2
[6/8] ロゴデザイン・木工実習
[6/15] TouchDesigner実習1
[6/22] TouchDesigner実習2
[6/29] TouchDesigner実習3
[7/6] TouchDesigner実習4
[7/13] TouchDesigner実習5
[7/27] TouchDesigner実習(講評)
後期
[9/14〜10/24] ゼミ展準備・ゼミ展
[10/19] 休講
[10/26] ゲストレクチャー、ゼミ展の片付け
[11/2] リサーチ・Adobe XD実習1
[11/9] UIデザイン企画発表・Adobe XD実習2
[11/16] UIデザイン企画発表(再提出)・Adobe XD実習3
- 小課題2
[11/23] サイトマップ発表
- 小課題3
[11/30] ワイヤーフレーム発表
[12/7] ワイヤーフレーム発表(再提出)
- 小課題4
[12/14] デザインカンプ発表
[12/21] デザインカンプ発表(再提出)
- 最終課題
[1/4] プロトタイプ発表
[1/11] プロトタイプ発表 最終講評
[1/12] 3年合同審査会
課題
■ゼミ展課題
「インタラクティブ・カラーズ」と題した展覧会にむけ、頭や体を使って色と遊ぶことができ、色の面白さ、楽しさ、奥深さなどを伝える体験型作品を制作する。
・作品形態は自由だが、プログラムは必ず使うこと。
・ターゲットを明確に設定すること。年齢、性別など
前期小課題1 色のイメージ
色彩というものは、それぞれ固有のイメージを持っており、広く一般に知られているものもある(例:赤→情熱、白→清潔)。
それらの色彩とイメージの関係を踏まえ、与えられたテンプレートの中でそれぞれ与えられたイメージにふさわしい色の組み合わせを選び、四角形の中を彩色する。
ポイントは、「色のイメージ」、「彩度」、「明度」、「コントラスト」。
前期小課題2 ロゴのカラー研究
・スタディ1
赤、青、緑、黄、オレンジ、紫の中から3色選んで、1色のロゴタイプやシンボルマークを15個ずつ収集する。自分が気に入ったロゴを集める。
例:バンダイ(赤)
分析:その色が使われているロゴにどのようなイメージがあるかを分析して記述。形容詞を使う(例:清潔な、力強い、自然な)。
それぞれの色によってどのような傾向があるかを分析し、メモしておくこと。
・スタディ2
スタディ1を分析する。以下のカラーサンプルを参考にして、「色彩と形態によるロゴのイメージ分布図」を作成する。
サンプル
基本的に横軸がwarm-cool、縦軸がsoft-hard。各自、独自に対義語を設定しても構わない。
スタディ1で選んだ1色につき15個のロゴは、10個ずつに減らす。似た性格のロゴは排除する。合計30個をレイアウトする。
・スタディ3
スタディ2をモノクロにして、「形態によるロゴのイメージ分布図」を作成する。座標は「色彩と形態によるロゴのイメージ分布図」と同じものを使う。
色の情報が失われた時に、どのように印象が変化するかを検討しながらレイアウトし直す。
前期小課題3 レイアウト1
課題内容
A4横位置中央に150 x 150mmの正方形を取り、それを縦横6分割した一辺25mmのグリッドを作成する。
1. 与えられたテキストを使って、グリッドを強く意識した構成を3パターン以上作成する。
条件:
・書体はヒラギノゴシックとヒラギノ明朝のファミリーのどちらかもしくは両方
・白地に黒の文字のみを使用して構成
2. 自身でグリッドを作り、そのグリッドを使った構成を1点作成する。
条件:
・テキストは同じ
・書体、ファミリーの使用は自由
・グリッドをどの程度意識するかは自由だが、意図は明確にしておくこと
・白地に黒の文字のみを使用して構成
使用するテキスト
ライゾマティクス_マルティプレックス
2021年に設立15周年を迎えるrhizomatiks(ライゾマティクス)の個展を開催いたします。
ライゾマティクス(以下、ライゾマと表記)は、設立以来、常に人とテクノロジーの関係を探求しています。世界的に活躍するアーティストであるビョーク、スクエアプッシャー、Perfume、ELEVENPLAY、狂言師・野村萬斎や研究者らとのコラボレーションに加え、多様な視覚化や問題提起型のプロジェクトを通して、技術と表現の新しい可能性を追求してきました。斬新なインパクトを持つその時間/空間的表現は、国際的に高い評価を得ています。本展は、ライゾマの美術館における初の大規模個展となります。オンライン上にもハイブリッドに展開する新作やアーカイブを通して、絶え間なく変化する世界と同期する彼らの卓越した試みを複合的(=multiplex)に呈示します。
●会期 2021年3月20日(土・祝)- 6月20日(日)
●休館日 月曜日(5月3日は開館)、5月6日
●開館時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
●会場 東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
前期小課題4 レイアウト2
課題内容
画像とテキストを使って構成する。テキストとグリッドはレイアウト1で使ったものをそのまま使用する。
1. 与えられた画像とテキストを使って、グリッドを強く意識した構成を1パターン以上作成する。
- 画面サイズはレイアウト1と同じ。
- 書体、ファミリーの使用、文字の色、背景、写真の加工・トリミングなど全て自由
- 与えられた画像のうち最低1点は使用する。何点使用しても構わない
2. 自身でグリッドを作り、そのグリッドを使った構成を1点作成する。
- 画面サイズ自由
- 書体、ファミリーの使用、文字の色、背景、写真の加工・トリミングなど全て自由
- グリッドをどの程度意識するかは自由だが、意図は明確にしておくこと
- 与えられた画像のうち最低1点は使用する
前期小課題5
インタラクティブメディア学科のロゴ(シンボルマーク+ロゴタイプ)をリデザインする。
- ロゴのデザインのページをよく読む。
- シンボル、ワードマーク、レターマーク、コンビネーションマーク、エンブレムのいずれでもいい。
- A3横位置に美しくレイアウトする。レウアウトの仕方は自由。色のバリエーションを3点以上作成する。キーワード、学籍番号、氏名を邪魔にならない場所に記載すること。
- コンセプトシートを添付する。
前期小課題6
音に反応するオブジェクトを作成する。
後期小課題1
商業宇宙旅行サービスの企画書(リサーチ含む)を作成する。A4-1ページ。以下の項目について記載すること。
- サービスの背景
宇宙旅行サービスの現状
将来性・未来像
普及への課題 - 目的(例:ブランド強化、WEBサイトの集客、売上、採用強化、ステークホルダーとのコミュニケーション)
- キャッチフレーズ(スローガン)
- ペルソナ(製品やサービスを利用するユーザー像)
- 参考サイト・文献
参考サイト: ペルソナとは:自社の製品やサービスの典型的なユーザーを体現する仮想的な人物像 https://satori.marketing/marketing-blog/what-is-marketing/marketing-persona/
後期小課題2
サイトマップを作る。
サイトマップは処理の流れを視覚化する、ページと機能のみを掲載した簡単な図。フローチャートや画面遷移図(アプリ)とも言われることがある。
- 参考サイト:サイトマップの作り方
https://www.gpol.co.jp/blog/46
https://liginc.co.jp/537135
- 代表的な作図ソフト
draw.io(無料・英語)、Adobe XD(工芸大生無料・日本語)、Cacoo(ほぼ有料・日本語)、Lucidchart(有料)、flowmapp(一部無料・英語) - プラグイン:Flowkit
今回は、Adobe XDでサイトマップを制作してみる。
小課題3:ワイヤーフレームを作る
ワイヤーフレームとは、webページやモバイルアプリのレイアウトや構成要素を決める設計図です。デザインカンプ作成より前の初期の段階で作成し、必要な開発項目を確定する役割があります。ここでは、webサイトやアプリの仕様を決定するために、ワイヤーフレームを作成してみます。
- ワイヤーフレームのパーツ(コピペ)Wires https://www.behance.net/gallery/55462459/Wires-wireframe-kits-for-Adobe-XD
- Wires.jp https://www.behance.net/gallery/67284971/Wires-jp
- ワイヤーフレームのプラグインQuick Mockup、WireFramer
- ワイヤーフレームのアーカイブサイト https://www.xdguru.com/adobe-xd-wireframe-kits/
小課題4:デザインカンプ(プロトタイプ)を作る
ワイヤーフレームをもとにして、デザインカンプを作成する。インタラクションはつけなくていい。代表的な3ページをデザインしてみる。
無料のUIキット、デザインキット、アイコンセット
- https://developer.apple.com/design/resources/(Apple)
- https://www.adobe.com/jp/products/xd/resources.html(Adobe)
- https://material.io/resources(Google)
- https://iconscout.com/icondrop/(アイコンのアーカイブサイト。要登録)
評価基準
出席は前期、後期それぞれの日程の2/3以上。この出席には、発表会、展示、講評会などが全て含まれる。
前期の採点基準: 出席 –> 50% 小課題 –> 15% 最終制作 –> 25% 授業参加 –> 10%
後期の採点基準: 出席 –> 50% グループ制作 –> 20% 最終制作 –> 20% 授業参加 –> 10%