2021年度 3年・研究生ゼミ概要

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授業概要

野口研究室は、以下のキーワードに関連するプロジェクト/作品制作を行ないます。

ソフトウェアデザイン、インフォメーションデザイン、インタラクティブアート

基本的にはソフトウェア開発を中心に作品制作や研究を行います。作品としてはスマホ/タブレットアプリ、サウンドヴィジュアライザ、VJシステム、A.R.などがあります。Max/MSPやQuarz Composerなどのヴィジュアルプログラミング環境も含みます。

学生への要求条件

やる気がある人。作品制作の基盤としてインフォメーションデザインの実習とプログラミングの実習が中心ですが、習熟度は問いません。ゼミでのカリキュラムは基礎的なところから復習します。アイデア/企画力と実現能力の両方を高めたい人を希望します。

習得する能力の目標

1. 芸術的な感性と工学的な技術開発能力の洗練
2. 授業内での発表やディスカッションによる、プレゼンテーション能力の洗練
3. 自身のプロジェクトのリサーチや文献研究を通した、リサーチ力の養成
4. 自身でイベントを企画/運営することによる、プロデュース能力、ディレクション能力、社会性の養成

目標とする人材

頭も手も体も動く人

授業内容

3年前期は、タイポグラフィやグリッドシステム、色彩など、基礎的なインフォメーションデザイン実習をおこないます。

後期の前半は、openFrameworksを使用して、より拡張性の高いソフトウェアデザイン/アートの制作環境を学習します。
参考:http://www.openframeworks.cc/
また、後期はプレゼンテーションおよびディスカッションを中心とした授業運営を行います。

さらに、後期にはゼミ展を開催する予定です。予算はゼミ費から出ますが、この展示運営における予算編成、広報関連の実務を通して、自主的に表現の場を作り、社会との接点を探ることの意味を考えます。
http://www.tdwa.com/

教員の専門領域

以下のサイトを参照のこと
http://r-dimension.xsrv.jp/

教員の得意分野

<領域>
ソフトウェアデザイン全般、メディアアート全般、グラフィックデザイン(元々はこの分野の出身)、現代美術(今やっている)、都市論、文化人類学(現在、人類学者と共同研究中)

<技術>
画像処理プログラミング、Processing、Quartz ComposerやMax/MSPなどのビジュアルプログラミング、Objective-C(Cocoaアプリケーション)、OpenGL、C言語、PHP、MySQL、映像編集など

前期スケジュール

[4/13] タイポグラフィ1

[4/20] タイポグラフィ2

[4/27] 色彩

[5/11] ロゴのカラー研究

[6/5・6/12] 松村さんワークショップ

[5/25] レイアウト1

[6/1] レイアウト2

[6/8] ロゴデザイン・木工実習

[6/15] TouchDesigner実習1

[6/22] TouchDesigner実習2

[6/29] TouchDesigner実習3

[7/6] TouchDesigner実習4

[7/13] TouchDesigner実習5

[7/27] TouchDesigner実習(講評)

後期

[9/14〜10/24] ゼミ展準備・ゼミ展

[10/19] 休講

[10/26] ゲストレクチャー、ゼミ展の片付け

[11/2] リサーチ・Adobe XD実習1

[11/9] UIデザイン企画発表・Adobe XD実習2

[11/16] UIデザイン企画発表(再提出)・Adobe XD実習3

  • 小課題2

[11/23] サイトマップ発表

  • 小課題3

[11/30] ワイヤーフレーム発表

[12/7] ワイヤーフレーム発表(再提出)

  • 小課題4

[12/14] デザインカンプ発表

[12/21] デザインカンプ発表(再提出)

  • 最終課題

[1/4] プロトタイプ発表

[1/11] プロトタイプ発表 最終講評

[1/12] 3年合同審査会

課題

■ゼミ展課題

「インタラクティブ・カラーズ」と題した展覧会にむけ、頭や体を使って色と遊ぶことができ、色の面白さ、楽しさ、奥深さなどを伝える体験型作品を制作する。

・作品形態は自由だが、プログラムは必ず使うこと。
・ターゲットを明確に設定すること。年齢、性別など

前期小課題1 色のイメージ

色彩というものは、それぞれ固有のイメージを持っており、広く一般に知られているものもある(例:赤→情熱、白→清潔)。
それらの色彩とイメージの関係を踏まえ、与えられたテンプレートの中でそれぞれ与えられたイメージにふさわしい色の組み合わせを選び、四角形の中を彩色する。
ポイントは、「色のイメージ」、「彩度」、「明度」、「コントラスト」。

前期小課題2 ロゴのカラー研究

・スタディ1
赤、青、緑、黄、オレンジ、紫の中から3色選んで、1色のロゴタイプやシンボルマークを15個ずつ収集する。自分が気に入ったロゴを集める。
例:バンダイ(赤)
分析:その色が使われているロゴにどのようなイメージがあるかを分析して記述。形容詞を使う(例:清潔な、力強い、自然な)。

それぞれの色によってどのような傾向があるかを分析し、メモしておくこと。

・スタディ2
スタディ1を分析する。以下のカラーサンプルを参考にして、「色彩と形態によるロゴのイメージ分布図」を作成する。
サンプル
基本的に横軸がwarm-cool、縦軸がsoft-hard。各自、独自に対義語を設定しても構わない。
スタディ1で選んだ1色につき15個のロゴは、10個ずつに減らす。似た性格のロゴは排除する。合計30個をレイアウトする。

・スタディ3
スタディ2をモノクロにして、「形態によるロゴのイメージ分布図」を作成する。座標は「色彩と形態によるロゴのイメージ分布図」と同じものを使う。
色の情報が失われた時に、どのように印象が変化するかを検討しながらレイアウトし直す。

前期小課題3 レイアウト1

課題内容

A4横位置中央に150 x 150mmの正方形を取り、それを縦横6分割した一辺25mmのグリッドを作成する。

1. 与えられたテキストを使って、グリッドを強く意識した構成を3パターン以上作成する。
条件:
・書体はヒラギノゴシックとヒラギノ明朝のファミリーのどちらかもしくは両方
・白地に黒の文字のみを使用して構成

2. 自身でグリッドを作り、そのグリッドを使った構成を1点作成する。
条件:
・テキストは同じ
・書体、ファミリーの使用は自由
・グリッドをどの程度意識するかは自由だが、意図は明確にしておくこと
・白地に黒の文字のみを使用して構成

使用するテキスト

ライゾマティクス_マルティプレックス

2021年に設立15周年を迎えるrhizomatiks(ライゾマティクス)の個展を開催いたします。
ライゾマティクス(以下、ライゾマと表記)は、設立以来、常に人とテクノロジーの関係を探求しています。世界的に活躍するアーティストであるビョーク、スクエアプッシャー、Perfume、ELEVENPLAY、狂言師・野村萬斎や研究者らとのコラボレーションに加え、多様な視覚化や問題提起型のプロジェクトを通して、技術と表現の新しい可能性を追求してきました。斬新なインパクトを持つその時間/空間的表現は、国際的に高い評価を得ています。本展は、ライゾマの美術館における初の大規模個展となります。オンライン上にもハイブリッドに展開する新作やアーカイブを通して、絶え間なく変化する世界と同期する彼らの卓越した試みを複合的(=multiplex)に呈示します。

●会期 2021年3月20日(土・祝)- 6月20日(日)

●休館日 月曜日(5月3日は開館)、5月6日

●開館時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

●会場 東京都現代美術館 企画展示室 地下2F

前期小課題4 レイアウト2

課題内容

画像とテキストを使って構成する。テキストとグリッドはレイアウト1で使ったものをそのまま使用する。

1. 与えられた画像とテキストを使って、グリッドを強く意識した構成を1パターン以上作成する。

  • 画面サイズはレイアウト1と同じ。
  • 書体、ファミリーの使用、文字の色、背景、写真の加工・トリミングなど全て自由
  • 与えられた画像のうち最低1点は使用する。何点使用しても構わない

2. 自身でグリッドを作り、そのグリッドを使った構成を1点作成する。

  • 画面サイズ自由
  • 書体、ファミリーの使用、文字の色、背景、写真の加工・トリミングなど全て自由
  • グリッドをどの程度意識するかは自由だが、意図は明確にしておくこと
  • 与えられた画像のうち最低1点は使用する

前期小課題5

インタラクティブメディア学科のロゴ(シンボルマーク+ロゴタイプ)をリデザインする。

  • ロゴのデザインのページをよく読む。
  • シンボル、ワードマーク、レターマーク、コンビネーションマーク、エンブレムのいずれでもいい。
  • A3横位置に美しくレイアウトする。レウアウトの仕方は自由。色のバリエーションを3点以上作成する。キーワード、学籍番号、氏名を邪魔にならない場所に記載すること。
  • コンセプトシートを添付する。

前期小課題6

音に反応するオブジェクトを作成する。

後期小課題1

商業宇宙旅行サービスの企画書(リサーチ含む)を作成する。A4-1ページ。以下の項目について記載すること。

  • サービスの背景
     宇宙旅行サービスの現状
     将来性・未来像
     普及への課題
  • 目的(例:ブランド強化、WEBサイトの集客、売上、採用強化、ステークホルダーとのコミュニケーション)
  • キャッチフレーズ(スローガン)
  • ペルソナ(製品やサービスを利用するユーザー像)
  • 参考サイト・文献

参考サイト: ペルソナとは:自社の製品やサービスの典型的なユーザーを体現する仮想的な人物像 https://satori.marketing/marketing-blog/what-is-marketing/marketing-persona/

後期小課題2

サイトマップを作る。

サイトマップは処理の流れを視覚化する、ページと機能のみを掲載した簡単な図。フローチャートや画面遷移図(アプリ)とも言われることがある。

  • 代表的な作図ソフト
    draw.io(無料・英語)、Adobe XD(工芸大生無料・日本語)、Cacoo(ほぼ有料・日本語)、Lucidchart(有料)、flowmapp(一部無料・英語)
  • プラグイン:Flowkit

今回は、Adobe XDでサイトマップを制作してみる。

小課題3:ワイヤーフレームを作る

ワイヤーフレームとは、webページやモバイルアプリのレイアウトや構成要素を決める設計図です。デザインカンプ作成より前の初期の段階で作成し、必要な開発項目を確定する役割があります。ここでは、webサイトやアプリの仕様を決定するために、ワイヤーフレームを作成してみます。

小課題4:デザインカンプ(プロトタイプ)を作る

ワイヤーフレームをもとにして、デザインカンプを作成する。インタラクションはつけなくていい。代表的な3ページをデザインしてみる。

無料のUIキット、デザインキット、アイコンセット

評価基準

出席は前期、後期それぞれの日程の2/3以上。この出席には、発表会、展示、講評会などが全て含まれる。
前期の採点基準: 出席 –> 50% 小課題 –> 15% 最終制作 –> 25% 授業参加 –> 10%
後期の採点基準: 出席 –> 50% グループ制作 –> 20% 最終制作 –> 20% 授業参加 –> 10%