授業概要
アート&メディア研究室では、アート表現を中核に据え、それを実現する手段としてメディアテクノロジーを積極的に活用する。AI、イマーシブメディア、XRなどの最先端技術を取り入れる一方で、映像、写真、テキスト、演劇、ワークショップなどといった既存の多様なメディアも区別せず横断的に使用し、幅広い表現を探求する。
制作の過程においてテーマとコンセプトを重視し、表現と技術の両面で質を高める。これにより、個人や社会の課題に独自の視点を提示するアート表現による、新しい価値観の創出を目指している。
授業内容
「社会課題とアート&メディア」をメインテーマとした研究を行う。
前期は複数(3~4)の社会課題を設定し、関連した書籍の輪読、ニュース映像や映画を観てディスカッション、リサーチし、それらの問題をアートやメディアテクノロジーはどのようにして対峙可能かについて研究する。最終的にそれらの成果をプレゼンテーションし報告する。
スケジュール
【4/17(金)】ガイダンス 東日本大震災を振り返る
■視聴する動画
- 「なぜ多くの人が逃げ遅れてしまったのか」東日本大震災から13年…住民100人の避難行動を映像化 浮かび上がった“危険な避難行動” 生死を分けた津波避難の教訓【テレメンタリー】
- ディスカッションのテーマ
- 全体の感想
- なぜ、津波が来ると危ない地域なのに人は住む?
■参考資料
- 【LIVE】東日本大震災から14年「あの日のこどもたちは」 震災の記憶を次の世代へ【命を守る防災力】地上波特別番組を同時配信(2025年3月11日) ※VTR中に津波の映像が流れます ANN/テレ朝
- 【LIVE】東日本大震災から10年 3.11記者たちの証言
- 3/11 — The Tsunami: The First 3 Days (※冒頭から津波の映像が流れますのでご注意ください。東日本大震災の映像記録番組です。)- NHK WORLD PRIME(映像の刺激が強いので、無理して見なくてもいい。)
【4/24(金)】テーマ1 震災と記憶・伝承・可視化
■視聴する動画
- 「語りにくさを語る」展のダイジェスト映像
- ディスカッションのテーマ
- 全体の感想
- –
- –
- 参考リンク
■視聴する動画
- 51分と13年(映像インスタレーション)のレイヤーA
■ねらい
- 東日本大震災を手がかりに、災害そのものだけでなく、記憶の継承、語りの困難さ、地域の復興、記録とアーカイブのあり方を考える。
■主な問い
- 震災の経験は時間の経過とともにどのように語られ/語られなくなるのか
- アーカイブ、映像、インスタレーション、VRは災害の記憶をどう媒介できるか
- 当事者ではない世代が震災をどう受け止め、表現しうるか
【5/1(金)】テーマ1 リサーチ報告①
課題内容
震災に関する展示、伝承施設、震災遺構などから、関心のある事例を3件以上選び、それぞれの概要と特徴を調査する。
まずは広く事例を集め、震災の記憶がどのような形式で社会に提示されているのかを整理することを目的とする。
調査対象の例
- 東日本大震災・原子力災害伝承館
- いわてTSUNAMIメモリアル
- みやぎ東日本大震災津波伝承館
- リアス・アーク美術館の震災関連展示
- 大川小学校、中浜小学校などの震災遺構
- その他の東北の震災伝承関連施設
調査の観点
- その事例は何をテーマにしているか
- どのようなメディアを用いているか
- 誰に向けられたものか
- どのような経験や理解を生み出そうとしているか
- 防災教育、追悼、記録、伝承のどこに重心があるか
発表形式
- 1人15分程度
- スライドで事例を整理して報告
提出物
- 発表スライド(classroomで作成)
【5/8(金)】テーマ1 リサーチ報告②
課題名
何が可視化され、何が語られにくいのか——比較分析と論点整理
課題内容
リサーチ1で扱った事例をもとに、比較分析を行う。
単なる紹介ではなく、それぞれの事例が何を伝えており、逆に何を十分には扱えていないのかを考察し、震災表象における論点を整理する。
分析の観点
- 誰の声が中心になっているか
(被災者、遺族、行政、研究者、来館者、メディアなど) - 何が強調されているか
(被害、復興、防災、教訓、責任、喪失、地域の記憶など) - 何が見えにくいか
(葛藤、対立、語りにくさ、時間の経過、生活の細部など) - どのような表現形式が理解や共感を生み出しているか
- その表現にはどのような限界があるか
- 当事者ではない世代にどう届くのか
発表で求めること
- 事例紹介で終わらず、自分なりの論点を1つ設定する
- 「震災の記憶を伝えるうえで重要なのに、十分に扱われていないものは何か」を示す
- 次回の企画案につながる問いを立てる
発表形式
- 1人10分程度
- 比較表や図解を入れることを推奨
提出物
- 発表スライド(classroomで作成)
【5/15(金)】企画プレゼン、ディスカッション
課題名
震災の記憶継承に応答するアート作品/アートプロジェクト提案
課題内容
リサーチ1・2で得た知見を踏まえ、震災の記憶・伝承・可視化に関する課題に応答するアート作品またはアートプロジェクトを企画する。
既存事例の調査と分析を踏まえたうえで、自分なら何を、誰に、どのような方法で提示したいかを具体的に提案する。
企画の形式例
- 展示
- 映像作品
- ドキュメンタリー
- Webアーカイブ
- VR/360度映像
- インタラクティブ・インスタレーション
- ワークショップ型プロジェクト
- 証言や記録を用いた参加型企画
企画案に含める項目
- タイトル
- 問題意識
- 企画の目的
- 想定する対象者
- 用いるメディアや表現形式
- 作品/プロジェクトの構成
- どのような体験や理解を生み出したいか
- 先行事例との違い
発表形式
- 1人10分程度
- スライドで企画意図、構成、参考事例を示す
- 可能であればスケッチ、図、画面構成案、展示イメージを含める
■提出物
- 発表スライド(classroomで作成)
【5/22(金)】テーマ2 紹介
【5/29(金)】テーマ2 リサーチ報告①
【6/5(金)】テーマ2 リサーチ報告①
【6/12(金)】企画プレゼン、ディスカッション
【6/19(金)】テーマ3 紹介
【6/26(金)】テーマ3 リサーチ報告①
【7/3(金)】テーマ3 リサーチ報告②
【7/10(金)】企画プレゼン、ディスカッション
【7/17(金)】まとめ
東北のフィールドワーク(8月前半)*希望者のみ
能登のフィールドワーク(8月後半)*希望者のみ
評価基準
出席は前期、後期それぞれの日程の2/3以上。この出席には、発表会、展示、講評会などが全て含まれる。
前期・後期とも共通の採点基準: 出席 –> 50% 中間発表 –> 15% 最終制作 –> 25% 授業参加 –> 10%
