授業概要
野口研究室は今年度より「アート&メディア研究室」に名称変更しました。
本研究室では、アート表現を中核に据え、それを実現する手段としてメディアテクノロジーを積極的に活用する。AI、イマーシブメディア、XRなどの最先端技術を取り入れる一方で、映像、写真、テキスト、ワークショップなどといった既存のメディアも区別せず横断的に使用し、幅広い表現を探求します。
授業内容
今年度は、「東日本大震災」に関連する展覧会に参加する前提で1年間を通してグループ制作を行います。具体的には、「大川小をめぐる15年」という企画展への参画を目指します(企画展概要)。なお、理論的なワークショップと並行して、TouchDesignerやSketchUpなど、映像インスタレーション等を作成できる開発環境を学習します。
3年前期は基本的にニュース映像、映画、書籍などを視聴もしくは読んで、ディスカッションをします。このことによって、さまざまな表現媒体を使って描かれている東日本大震災を多角的な角度から俯瞰します。そして、後半は、児童108名中74名と教職員10名が犠牲となった石巻市立大川小学校を襲った津波事故を題材とした表現(主に映画)を視聴して、ディスカッションします。
そして、8月には宮城県の震災遺構や伝承館を訪れ、自身の足を使って現地でフィールドワークを行い、地域の方々と対話することによって「東日本大震災」と「大川小の津波事故」についての理解を深めます。
後期はその経験を元にグループ制作を進め、2026年3月の企画展に臨みます。会期中は学生中心のイベントも企画する予定です。
前期スケジュール
1.【4/15(火)】ガイダンス 東日本大震災を振り返る
■視聴する動画
- 【LIVE】東日本大震災から14年「あの日のこどもたちは」 震災の記憶を次の世代へ【命を守る防災力】地上波特別番組を同時配信(2025年3月11日) ※VTR中に津波の映像が流れます ANN/テレ朝 https://www.youtube.com/watch?v=Qi0pT9Au2GI
■参考資料
- 「なぜ多くの人が逃げ遅れてしまったのか」東日本大震災から13年…住民100人の避難行動を映像化 浮かび上がった“危険な避難行動” 生死を分けた津波避難の教訓【テレメンタリー】
- 【LIVE】東日本大震災から10年 3.11記者たちの証言
- 3/11 — The Tsunami: The First 3 Days (※冒頭から津波の映像が流れますのでご注意ください。東日本大震災の映像記録番組です。)- NHK WORLD PRIME(映像の刺激が強いので、無理して見なくてもいい。)
■課題:「【LIVE】東日本大震災から14年」を視聴した感想
2.【4/22(火)】ニュース映像を視聴してディスカッション
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- ゆるフラpart1「震災の時どうだった?/震災後の面白いちょっと不謹慎な話」を見てディスカッション
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想
- 印象に残ったシーンとその理由
- 先週のニュース映像との違いはどういったところにあると思う?
3.【4/29(火)】
- 休講
4.【5/13(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 映画「なみのおと」(142分)を見てディスカッション
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 対話形式にしているシーンが多かったが、その点についての感想・意見
- 自分が聞き手だったら何をどう聞く?
5.【5/20(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 映画「なみのこえ 気仙沼」(109分)を見てディスカッション
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 一番気になった人(もしくは人たち)とその理由
- 「なみのおと」と「なみのこえ 気仙沼」について感じた共通点と相違点は?
6.【5/27(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』を視聴してディスカッション。
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 「自分が石巻市の教育委員会の人間であったり大川小学校の教職員だったら、事故後どういった対応を取るか」
- 「訴訟は全ての遺族が参加したわけではない。自分が遺族だったら裁判に参加しているか、していないか。その理由は?」
7.【6/3(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 映画「春をかさねて」(45分)を見てディスカッション
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 廃墟となった大川小で、祐未が言う「いいよもう。私もれいも、好きに生きよう」に込められた作者の意図を考えてみる。
- 作者はなぜこの映画を作ったのだと思う?
■TouchDesigner実習1
8.【6/10(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 映画「あなたの瞳に話せたら」(29分)を見てディスカッション
- 6/22 第1回オープンキャンパスの準備
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 作者はなぜ手紙を読む形にしたと思う?
- 「春をかさねて」と「あなたの瞳に話せたら」はフィクションとドキュメンタリーという異なった手法をとっているが、なぜだと思う?
9.【6/17(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 「津波の霊たち」の第1部、第2部を読んできてディスカッション
■ディスカッションのテーマ
- 全体の感想と一番印象に残ったシーン
- 男性と女性という観点から気になったことはある?
- 幽霊、霊能者、怪談、占い師など、霊に関する描写が頻繁に出てくる。なぜ作者は描いたのだろう?
■TouchDesigner実習2
10.【6/24(火)】
■実施内容
- 前回の課題の感想文を全員で共有する。
- 「津波の霊たち」の第3〜5部を読んできてディスカッション
- グループ制作の説明
■事前課題
■TouchDesigner実習3
11.【7/1(火)】
■実施内容
- 映像インスタレーション「51分と13年」を見てディスカッション
■TouchDesigner実習4
12.【7/8(火)】
■実施内容
- ゲストによるワークショップ(丹羽さん)
■TouchDesigner実習5
13.【7/15(火)】
■実施内容
- 個人制作の時間
■TouchDesigner実習6
14.【7/22(火)】
- 中間のまとめ発表
- 各自の企画のプレゼン、グループ制作のチーム決め
- 7/29 第2回オープンキャンパスの準備
15.【7/29(火)】
■実施内容
- 中間のまとめ発表
16.【8/5(火)】
■実施内容
- フィールドワークの準備
フィールドワーク
往路は仙台まで学生に来てもらって、帰りは福島駅から
8/7(木) 仙台→南三陸→気仙沼
- 南三陸 311 メモリアル( 9時00分~17時00分 火曜定休)
- 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館(9時30分~16時00分 月曜定休)
- リアス・アーク美術館(9時30分~17時00分 月曜定休)
8/8(金) 気仙沼→石巻
- 大川小(9時00分~17時00分 水曜定休)
- 門脇小(9時00分~17時00分 月曜定休)
- みやぎ東日本大震災津波伝承館(9時00分~17時00分 月曜定休)
8/9(土) 石巻→双葉町→福島駅
- 中浜小学校(9時30分~16時00分 月曜定休)
- 震災遺構 浪江町立請戸小学校(9時30分~16時30分 火曜定休)
- 東日本大震災・原子力災害伝承館(9時00分~17時00分 火曜定休)
後期スケジュール(予定)
1.【9/16(火)】
2.【9/30(火)】
3.【10/7(火)】
4.【10/14(火)】
5.【10/21(火)】
6.【10/28(火)】
7.【11/4(火)】
8.【11/11(火)】
9.【11/18(火)】
10.【11/25(火)】
11.【12/2(火)】
12.【12/9(火)】
13.【12/16(火)】
14.【12/23(火)】
15.【1/6(火)】
16.【1/13(火)】
17.【1/20(火)】
【1/21(水)】
評価基準
出席は前期、後期それぞれの日程の2/3以上。この出席には、発表会、展示、講評会などが全て含まれる。
前期・後期とも共通の採点基準: 出席 –> 50% 中間発表 –> 15% 最終制作 –> 25% 授業参加 –> 10%