2014年度 3年ゼミ概要

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授業概要

野口研究室は、以下のキーワードに関連するプロジェクト/作品制作を行ないます。

ソフトウェアデザイン、インフォメーションデザイン、インタラクティブアート

基本的にはソフトウェア開発を中心に作品制作や研究を行います。作品としてはスマホ/タブレットアプリ、サウンドヴィジュアライザ、VJシステム、A.R.などがあります。Max/MSPやQuarz Composerなどのヴィジュアルプログラミング環境も含みます。
 

学生への要求条件

やる気がある人。作品制作の基盤としてインフォメーションデザインの実習とプログラミングの実習が中心ですが、習熟度は問いません。ゼミでのカリキュラムは基礎的なところから復習します。アイデア/企画力と実現能力の両方を高めたい人を希望します。
 

習得する能力の目標

1. 芸術的な感性と工学的な技術開発能力の洗練
2. 授業内での発表やディスカッションによる、プレゼンテーション能力の洗練
3. 自身のプロジェクトのリサーチや文献研究を通した、リサーチ力の養成
4. 自身でイベントを企画/運営することによる、プロデュース能力、ディレクション能力、社会性の養成
 

目標とする人材

頭も手も体も動く人
 

授業内容

3年前期は、タイポグラフィやグリッドシステム、色彩など、基礎的なインフォメーションデザイン実習をおこないます。

後期の前半は、openFrameworksを使用して、より拡張性の高いソフトウェアデザイン/アートの制作環境を学習します。
参考:http://www.openframeworks.cc/
また、後期はプレゼンテーションおよびディスカッションを中心とした授業運営を行います。

さらに、後期Tokyo Designers Weekに参加する予定です。予算はゼミ費から出ますが、この展示運営における予算編成、広報関連の実務を通して、自主的に表現の場を作り、社会との接点を探ることの意味を考えます。
http://www.tdwa.com/
 

教員の専門領域

以下のサイトを参照のこと
http://r-dimension.xsrv.jp/
 

教員の得意分野

<領域>
ソフトウェアデザイン全般、メディアアート全般、グラフィックデザイン(元々はこの分野の出身)、現代美術(今やっている)、都市論、文化人類学(現在、人類学者と共同研究中)

<技術>
画像処理プログラミング、Processing、Quartz ComposerやMax/MSPなどのビジュアルプログラミング、Objective-C(Cocoaアプリケーション)、OpenGL、C言語、ActionScript、PHP、MySQL、映像編集など
 

学生の参考作品

●2009年度2年グラフィカルプログラミング演習参考作品
(サウンドヴィジュアライザ)
Processingで音の周波数解析を使い、音楽にグラフィックがリアルタイムに反応するサウンドヴィジュアライザを作成している。
ドキュメントビデオ

●2008年度2年グラフィカルプログラミング演習参考作品
(インタラクティブアート)
Processingを使い、リアルタイム画像処理、ネットワーク、サウンドなどを使ったアート作品を制作した。
ドキュメントビデオ

世界万別 鈴木遼(2007年度卒業)
世界に存在する様々な格差を「地域」、「宗教」、「言語」という切り口から、膨大なデータを駆使して分析しようという試み。Flash ActionScriptを使用している。
 

前期スケジュール

4月16日 タイポグラフィ1

タイポグラフィとは
和文/欧文フォント

参考サイト:
the 100 best fonts
優れた欧文書体21 Fonts

4月23日 タイポグラフィ2

フォントファミリー
サイズ/カーニング/トラッキング/行間

4月30日 タイポグラフィ3

5月14日 色彩

5月21日 レイアウト1

5月28日 レイアウト2

6月4日 プログラミング実習1

変数while・for構文if構文アニメーションインタラクション

6月11日 プログラミング実習2

1次元配列の理解2次元配列の理解sine-cosine

6月18日 プログラミング実習3

レーザーカッター実習

6月25日 プログラミング実習3

openFrameworks入門(OS X用)
iOSデバイス(iPhone・iPad)実機テスト

7月2日 プログラミング実習4

openFrameworks入門 (iPhone)基礎

7月9日 プログラミング実習4

openFrameworks入門 (iPhone)サウンド

7月16日 制作

7月23日 講評

 

前期課題

■タイポグラフィ課題

【小課題1】

自分の氏名(アルファベット)の文字の並びを、スペーシングによって調整する。書体はHelvetivaのレギュラーを使用する。
パターン1. 一番狭いスペースに合わせて調整する。
パターン2. 一番広いスペースに合わせて調整する。
パターン3. 1,2の中間に合わせて調整する。
 

【小課題2】

テンプレート内の四角形の中で、二種類の文章を和文で組んでみる。その際、左と右の四角形の中に入れるテキストは、対照的な内容のテキストを使う。
例:悲しい文章・明るい文章、荒々しい文章・繊細な文章 など
そして、書体、ウェイト、字間、行間によって、二種類の文章のイメージに明確な差を付け、なおかつ「美しく」組む。

青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)や自分で探して来た本の内容をタイピングするなどする。

●条件
・書体のサイズは14Qとする。
・選んだ文章のタイトル・作者・自身が考えるイメージを上部に記入する。
  例:人間失格・太宰治(暗いイメージ)
・極力イメージが対照的、もしくは差がある文章を選ぶ。
・長体や平体の加工をおこなわない。
・テンプレートのボックスの中は全てテキストで埋まっている状態にし、提出時にそのテンプレートの黒枠は消去する。

テンプレート:typo2_template

■色彩課題

一辺10cmの正方形の枠を2つ横に配置する。正方形同士は2.5cm離す事。さらに、その中を一辺2.5cmのグリッドで仕切ると一辺1.5cmの正方形が16個ずつ作成される。
この中に、それぞれ16個の画像を貼付けて、対立するイメージの画面を構成する。例:暖かい⇄寒い

●条件
・画面はA4横位置とする。
・画像は必ず自分でデジカメやスマフォで撮影してくる。画像は自由にトリミングし、選んだイメージに合う画像を貼付ける。
・変形や色調補正をソフト上でおこなってはいけない。
・一つ一つの画像は2.5 x 2.5cmにする。
・黒い枠は作業終了後削除する。

●ポイント
・この課題は、一つの画面のイメージを画像の色彩と形態によって表現するトレーニングです。
・例えば、「暖かい」イメージを構成するためには、柔らかい線や面と暖色系等の色などを選ぶ。

教員用テンプレート

■レイアウト課題1

・課題内容

A4画面上に150 x 150mmの正方形を取り、それを縦横6分割した一辺25mmのグリッドを作成する。
与えられた写真のどちらか一つと下記のテキストを必ず入れて、3パターンのデザインのバリエーションを作り出す。

・使用する文章

ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界
会  期: 2014年5月31日(土)-8月31日(日)
会  場: 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

異なる文化、現実と想像、大人と子ども、
あらゆる境界を行き来する子どもたちが放つ「生きるちから」

本展は、異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、さまざまな境界を自由に行き来する子どもの性質に注目し、子どもの視点を通して世界を展望しようとする試みです。世界各国の優れたアーティスト26組の作品に表れる子どものイメージを通して、社会で起こっているさまざまな事象に注目し、政治、文化、家族など子どもを取り巻く環境と、彼らが直面する諸問題に目を向けます。さらに、遊びや夢、記憶などをキーワードに、大人の常識や伝統の枠組みにとらわれない子どもの創造性と、その多様な感覚に迫ります。

・条件

・A4横位置を使用する。テキストは必ずしも可読性は重視しない。
・テキストは複製して使っても構わない(何回使ってもいい)。回転もOK。
・テキストのみを使用する。テキストは黒のみ。
・3パターン作成する。そのうち2パターンは、黒のみ。もう1パターンはグレーも使っていい。
・使用していい書体は、ヒラギノ角ゴシック、ヒラギノ明朝、Times、Helveticaのみ

■レイアウト課題2

・課題内容

レイアウト課題1のテキストと画像を再構成する。
 1. グリッドを強く意識したレイアウト
 2. グリッドを緩やかに意識したレイアウト
の2パターンを作成する。

・画像はgo_btweens_imagesからダウンロードする。使う画像は一種類のみとする。
・テキストは複製して使っても構わない(何回使ってもいい)。回転もOK。
・テキストの書体、色は自由。
・画像の色は自由、トリミングや回転も自由。

■プログラミング課題

Processingを使って作成したパターンをもとにして、レーザーカッターを使用してコースターを作成する。
Illustratorなどで追加で処理をしてもかまわないが、必ずプログラミングによって作成したパターンをメインにすること。

・コースター以外のもを作りたかったら、自由に選んでもかまわない。一応、他にアイデア思いつかない人はコースターでいいが、丸である必要はないし、穴があいていてもいい。あまりコースターとしての機能性は考えなくていい。
・使用する素材は木やアクリルなど、レーザーカッターで切れるものであれば自由に選んでいい。
・点数自由。最低1点は作る。
・processingでのpdf出力は以下のサイトを参照する事。一旦pdfで出してからイラレでaiファイルに変換する。
http://ap.kakoku.net/2-4.html

・また、材料は自分で用意すること。他の人と共有してもかまわない。

■最終課題

以下の2種類のうちどちらかを選ぶ。
1. 「笑えるアプリ」がテーマ
・作品形態は、スマホ、タブレット、PC、インスタレーション等、特に制限はない。
・開発環境は各自で決める事(例:Processing、openFrameworks、Flashなど)

2. 自由制作
・特に課題の制限なし。何を作ってもいいが、ソフトウェアデザインの範疇に入るもの。
・開発環境は各自で決める事(例:Processing、openFrameworks、Flashなど)

講評は8/18(月)13:00より。

後期スケジュール

9月〜10月 Tokyo Designers Week 2014の準備

 

評価基準

出席は前期、後期それぞれの日程の2/3以上。この出席には、発表会、展示、講評会などが全て含まれます。
前期・後期とも共通の採点基準: 出席 –> 50% 小課題 –> 15% 最終制作 –> 25% 授業参加 –> 10%
ディスカッションが多いので、積極的に参加すること。
 

卒業後の主な進路

Webデザイナー、Webディレクター、システムエンジニア、アーティスト など